みなさん、おはようございます。
ヌエゴリラと申します。
今回は、ハンターハンターについて紹介したいと思います。
魅力な点
バトル
頭脳とフィジカルと能力を生かしたバトルは見ごたえたっぷりです。作中では割とバカ扱いされる主人公ゴンでさえ結構頭使って戦います。だからといって頭脳一辺倒でも脳筋一辺倒でもなくて、それぞれがそれぞれのスタイルでベストを尽くすバトルは面白い。バトルの内容に説得力もあって、実力差がある相手には策を何重にも弄したりとか(ゲンスルー戦)、真正面から勝てない相手には条件付きの戦いを見せるとか(ハンター試験最終試験、GIドッジボールなど)、無理のない展開を見せることに関しては天才だと思います。
好きなバトルはたくさんありますが、結構好きな戦いの一つはハンター試験編最終試験時のゴンvsハンゾーです。この戦いについて、詳細を書くと長くなるので端的にいうと、ゴンが勝ちますが、実力的にはハンゾーのほうが上でした。実力差がそこまでなかったとか、策をめぐらせて実力差を覆したとかじゃないのですが、少年漫画好きならまず納得する展開だと思います。しないにしても、そこまで不自然な展開じゃないんです。無論、そのための設定やキャラ付けなどの下地がしっかり整っているからこそではありますが。このような変則バトルの面白さが、本作の大きな魅力の一つです。
ただ、クロロvsヒソカについては、やっていること自体はわかるんだけど、中身が難解だったため二人の読みあいのすごさがいまいちわからなかったです。ただ、バトルで不満があるとすればガチでこれだけというレベルです。
メッセージ性
本作、メッセージ性も至るところでありますが、象徴的なのはやはりキメラアント編の「人間とは」というところでしょう。
キメラアント編は、現時点(2025年 5月5日)では本作の中で最長の長編であり、突如現れた「キメラアント」という生物(便宜上アリと呼ばれる)が人間界を侵し始め、主人公ゴン含む一部人間たちがアリたちを討伐するという流れです。
人間視点から見れば当然の流れで、並みのフィクションならアリを討伐してハッピーエンドだわーいというところでしょう。本作も、結論だけで言えばそうなります。
ただ、そこに至るまでの中身がえぐいです。ネタバレが嫌とかじゃなくて、中身濃すぎて詳細書いてたら万単位の文字を書くことになるので詳細は省きますが、「人間の醜さ」や「人間の残酷さ」などが克明に描写され、もはやアリがかわいそうにすら思えてくるほどの内容が描かれます。
アリは別に現実のペットのように愛らしい姿をしているわけではないし、当初は人間を見下し、容赦なく殺し食う残虐生物なのですが、それを踏まえてアリがかわいそう、もっと丸く収めることできただろう、と思えてしまうような展開が描かれます。
物語中、人間側もアリ側も頻繁に心が揺れ動き、予想できない展開と心理の機微の描写は圧巻です。
この長編、大ボスの倒し方や結末で賛否がわかれていますが、個人的には納得の展開です。ただし、これは本作の作者である冨樫先生の、そこまでに至る濃密な展開の積み重ねがあったからこそできた芸当であり、そこらの作者が似たような展開をやろうとしたら、たぶん筆者も納得しなかっただろうし、批判一色になっていると思います。それくらい、否定的な意見もわかるものが多いです。
ただ、そもそもこの長編の一番のポイントは「人間とは」であり、それを描きたかったから書かれた話だとするならば、それ自体は達成されているので、展開がどうとか結末がどうとかはもはや枝葉に過ぎないといっても過言ではないでしょう。
キャラ
味方も敵も魅力的なのが多いです。中でも好きなのはやっぱり主人公のゴンと、その相棒的存在であるキルア。
ゴンはオールドタイプの熱血直情型で、シンプルにこの時点で十分好きなんですが、彼の考え方やもはや異常といえる純粋さが魅力的です。
一例をあげると、自分がやりたいこと(ハンターの仕事)を優先して自らを捨てた父親に対して、「子供を捨てるほどやりたいことがあるってすごい。俺もそんなハンターというものになってみたいし、そんな親父に会いたい」と超絶思考回路で弱冠12歳で故郷の島を出て旅立ちます(そしてハンター試験へ)。
また別の例として、こんなこともありました。
ゴンとキルアは遥か格上の敵に捕まり、逃げ出すことも困難な状況。キルアは、自分が死んでも相手を少しだけ止めるからその隙にゴンは逃げろと提案しますが、ゴンは「死ぬとか簡単に言うな!」と怒ってキルアを殴ります。その言い分にキルアは、「お前だって死ぬとか状況によっては簡単に言うじゃねーか!」(意訳)とキレ返すと、「俺はいいの!でもキルアはだめだ!」とめちゃくちゃ勝手なことを言います。
傍から見ればただのくそわがままガキと思う人もいるでしょうが、筆者的にはこういう自分のために潔いキャラは好きです。現実はおろかフィクションでも多いですが「他人を理由にする」「変に理論武装して取り繕おうとする」などに筆者は辟易しているので、こういう感情が突き抜けたキャラが好きなんですよね。
対するキルアは、冷静で頭もよく合理的で、ゴンとは対極的なキャラです。ゴンとは考えが相容れず喧嘩することもしばしばありますが、純粋でまっすぐなゴンには憧れもあり、結局最後にはゴンのわがままに付き合うことが多いです。そんな感じで、冷徹で血も涙もないわけではなく、キルアはキルアで人間味もあるからこその良キャラです。
ゴンもゴンでキルアのことを尊敬しており、そんな対極な二人だからこそのシナジーがあります。
キャラ編もこれ以上書くと長くなりすぎるので、この辺にしておきます。
画力
絵が美的で奇麗なわけではないし古く感じることもありますが、ここぞという場面の構図やキャラの表情、何よりバトルシーンのわかりやすさや躍動感がすごいです。
微妙な点
ストーリー
これ、本作を知っている人なら「ハンタがストーリー微妙ってどんだけだよ。じゃあお前が面白いと思うストーリーってなんだよ!」と怒られてもおかしくないくらいだと思っていますが、ちょっと聞いて下さい。
まず大前提として、物語の完成度では、筆者的には本作に並ぶものは数えるほどしかないです。それくらいクオリティーは高いです。でも、作品に対するレビューには完成度とは別にもう一つ別の評価軸が存在します。
それは、好きかどうかです。
本作、完成度は高いのですがいかんせんビターエンド以下が多い。ククルーマウンテン、天空闘技場、選挙編はハッピーよりな方向には収まっているものの、不穏な匂わせをしたり、別れがあったりなどビター要素がないわけではない。ハンター試験、幻影旅団、GI、キメラアントはバッド寄りのビターです。GI編は主要人物はハッピーエンドで終わりますが、とある人物が絶望に陥ります。
筆者のブログのヘビーウォッチャーならわかると思いますが、筆者は「一流のバッドエンドより、三流のハッピーエンド」というくらいハッピーエンド主義者です。
だから、本作のストーリーに対する評価は「完成度は高いけど好きではない」になります。筆者の評価軸として完成度<好みなので、総合的には微妙ということになりました。
ただこれは裏を返せば、「好みでもないのに見れてしまうほど完成度の高いストーリー」ということでもあります。そのため、ハッピーかどうかが基準ではない人なら、ストーリーはプラスポイントにしかならないと思います。
死者が多い
これも当ブログでは何回も言っていることです。キャラ退場は好きではないので、キャラ退場が多いのは微妙なポイントになってしまいます。ただこれも裏を返せば以下略です。
連載が……
作品本編外の話なので、作品そのものの評価とは別になってしまい本来は触れるような話ではないのですが、さすがに本作は休載の多さが尋常ではないので触れておきます。何ならおそらく、連載開始からの通算でいえば休載しているほうが多いのではないかと思います。そうでなくても3分の1はあるかと……。休載が多い正式な理由は特に公表されていないはずですが、収入面でいえば冨樫先生がハンターを書き続ける理由はボランティアでしかないので、未完で終わる可能性も全然あります(ただし、32巻で一応の一区切りはついている)。
まとめ
以上が、ハンターハンターの紹介でしたがいかがだったでしょうか。
本当は完結作品しかレビューしたくなかったのですが、本作は未完で終わる可能性も十分にあること、筆者がハンターハンターについてどうしてもレビューしたくなったことから、今回レビューしました。
本作をちゃんと読む前は、「休載多いのに何をそんなに祭り上げることがあるんだよ」とか思っていましたが、実際、これはそう思わされるくらいの面白さはあります。
本作アニメが2種類あって、1個目は原作との兼ね合いでオリスト入れたりぐだぐだになることもありましたが、2個目は原作再現度が高く32巻の一区切りまでやるので奇麗に終わります。ただ2作目のほうも意味不明な原作改変はあるし、アニメはどちらも完璧ではないし長いので、触れるならやはり原作をお勧めします。
それではまた、次回の投稿でお会いしましょう。
※アイキャッチはAIで生成したものです。
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