UNEQUAL -不平等-

作品

みなさん、おはようございます。
ヌエゴリラと申します。

今回は、アンデッドアンラックについて紹介します。
本作は、週刊少年ジャンプにおいて5年ほど連載され、全27巻予定、不死の能力者アンディが最高の死を迎えるため、不運の能力者出雲風子いずもふうこを半ば強引に巻き込むところから物語はスタートします。

魅力な点

ストーリー

本作は、『最初から最後までかなり計算されているのでは』と思います。
本作は、否定者と呼ばれる能力者たちが散見される世界で、大きく分けると100回目のループ世界101回目のループ世界の話で構成されており、内容はやや難解ではあるのですが、各所に散りばめられた伏線やその回収、能力を生かした見ごたえのあるバトル、二転三転、一難去ってまた一難をどうにかこうにか切り抜けていき、最後の最後には大団円のハッピーエンドに至る物語は、素直に面白いです。

物語の道中は、ハッピーエンド主義者の筆者にはまあまあ辛かったです。人死にはちょくちょく出るし、暗い展開も多い。
本作のガチの黒幕は正真正銘のであり、その神を打倒するために否定者は本来結束しなければいけないのですが、『神に勝つなんて不可能だから、せめて大切な人だけは神に裁かれるまで守りたい』とか、『神と戦うのは危険だから、神と戦うのは強者だけでいい』とか、挙句の果てに今の世界なんてほろんだほうがいいと神側につくなど、いろんな理由で仲違いもします。いや御託はいいから結束しろやと思うのと同時に、気持ちはわかってしまうからやきもきする。そうこうしているうちに、ラグナロクという神との直接対決を強いられ、人類は敗北します……。

という結末をリセットするために、今まで99回ループを繰り返し、物語開始時点で100回目のループ世界になっているというわけです。

作中でも言われますが、ぶっちゃけ本作全体を通してクソゲーです。そもそも神がゲームマスターや運営的な立場であり、自由自在に人類に不利なレギュレーションを入れたりと、人類からすればめちゃくちゃ理不尽です。

だからこそ、神に対抗するのを諦める否定者も現れるし、それが原因ですれ違いや諍いが起こり、神に対抗するどころか人類結束もままならず、紆余曲折を経た100回目のループは、戦力的には今までのループの中では最高レベルまで達しますが、ラグナロクが発動、神には勝てなかったため最後のループである101回目のループを開始します。

説明するタイミングがなかったのでここで挟んでおきますが、ループできるのは条件を満たした1名のみ、ループ者のみループ前の記憶を保持、ループ後の世界のその他の人たちは記憶どころか能力も開花してない状態です。だから、毎ループごとにまずは既存のメンバー探しと能力開花をしてようやくスタートライン、そこから新たな能力者の発見をしなければいけないわけです。

絶望的ではありますが、101回目のループ者となった出雲風子は、200年ほどかけて前ループではもともと仲間だった人はもちろん、裏切られて敵対した人、過程で戦い殺してしまった人、いろいろあって仲たがいした人、とにかく100回目のループで出会った否定者たちを全員仲間にして神様と戦う準備を整えます。

100回目のループでは、戦力的には一番整っていたけど損失も多く結局神に勝てなかったわけですが、101回目のループでは、出雲風子がすべての悲劇を事前に食い止め結束できるように立ち回って一切の損失なく神に挑み、最終的に勝利を収める文句のつけようのないハッピーエンドを迎える展開はカタルシス半端なし脳汁絶頂するしかない。

バチボコネタバレ全開で書いてますが、こんなのマジで大筋でしかなくて、中身はもっと密度の濃い話になってるので、ネタバレで面白さはあまり変わらないと思います。

バトル

本作、いろんな能力が出ますが、基本的なルールとして接頭に「un」がつくものしかありません。
不死 (Undead) ,不運 (Unluck) ,不真実 (Untruth)などなど……。
不死に関してはその名の通り何をしても死なない能力者というようなわかりやすい類のものもあれば、不真実のような文字だけでは一見どんな能力かは判別できないものもあります。

否定者たちが戦う際は、相手がどんな能力か、大概の能力は発動条件があるのでどういう条件で発動しているのか、などを考えて戦います。

たとえば、不死は『ただ死なない』わけではありません。厳密に言えば、不死の能力自体はただそのまま使うなら『死なない』だけですが、死なないことを利用してわざと自傷することによって大量に血液を出して、その血で攻撃するなど応用が利きます。

殺陣の描写そのものはややわかりづらいものもありますが、全知全能をかけたバトル自体は見ごたえありです。

一番好きなバトルは、ランゲージvsニコたちですかね。

微妙な点

完全に好みの問題ですが、本作の絵があまり好きではありません。これは別に今作に限った話ではなく、人気だろうが不人気だろうが、好きなものは好きだし好きじゃないものは好きじゃありません。

単純な絵のうまさ的な話で言えば、全体的に昔より現代のほうが上だと思っています。個性的な絵はほかの人たちと差別化も図れて良いことだとも思っています。でも、現代のほうがなんか癖がある絵の人が多い気がするんですよね。

好きな絵と嫌いな絵の違いの言語化のしようがないんですが、今作をはじめ人気なのに読めてない漫画や見れてないアニメは、筆者の場合はほぼ絵が原因です。

知り合いからは、「中身を考慮せずに絵だけで判断するなら画集でも見てろよ」みたいなことも言われたことあるのですが、小説ならいざ知らずビジュアルが伴う作品ならそこも重視して当然だと思うんですよね。たとえるなら、『味はいいし栄養も満点だけど虫です』という食べ物をわざわざ好き好んで食べますかって話ですよ。

今作の絵のどこが苦手か、頑張って言語化するならややデフォルメチック寄りなところだと思います。

あとは、魅力な点のバトルでも少し触れた通り、殺陣の描写がややわかりにくいところですかね。

キャラの活躍の偏り

これは、キャラが多い作品の宿命みたいなものですね。
今作の場合、不死みたいな強力かつ応用も利く能力もあれば、不燃みたいなピンポイントで頼りになれども、武力面や応用面ではさほど有用性がない能力もあるので、活躍の偏りがより顕著になっています。

ただ、そんな出番を作りにくいキャラたちにも、それなりの見せ場を1回以上は作っているので、そこはすごいなあとも思います。

まとめ

以上が、アンデッドアンラックの紹介でしたが、いかがだったでしょうか。

道中の辛い展開は本当につらいのですが、最後の最後の大逆転のためのカタルシス要素と思えばむしろそれも+です。本作は、絵さえ好みであればフィクションの中でベスト10には入ったかもしれないくらい面白かったです。

絵が絵がうるせえと思うかもしれませんが、逆に言えば絵が苦手だったのにもかかわらず、これだけ作品を絶賛していることを考慮していただければ、この作品の中身についての面白さがかなり高いことがわかってくれると思います。

それではまた、次回の投稿でお会いしましょう。

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